新任体育教師の最大の関門
『保健の授業』
なんだかんだ言っても体育の授業は体育大学出身者なら見本を見せて、
元気一杯やればなんとかなるかもしれません。
実際に列の増減がわからなかった自分もノリと勢いだけでやっていました。
でも、保健の授業は簡単にいきません。
自分が得意で好きなことであるわけではないため50分を授業するのはとても難しく感じます。
みなさん、教育実習を思い出してください。保健の授業うまくいきましたか?私はうまくいきませんでした。思うように授業が進まず、自分だけが空回り生徒は全く乗ってこない。。。終わったときには脇汗だらだら。
これは教育実習だけの話ではなりません。教員として働いたからといってすぐにうまくなるわけではありません。日本において、性教育を受ける機会は中高の保健の授業を受けた後はどれだけあるでしょうか?ほとんどないように思います。つまり保健の授業の重要性は生徒自身が気付いていないだけで非常に大きいのです。
なので生徒の興味を引き出し将来に役立つ保健の授業を目指しましょう。
この記事のテーマ
保健の教材研究の方法論
◆目次
■保健の授業をスキルアップすることの難しさ
■教科書の構成を知ろう
■4コマ漫画+まとめ
■保健の授業をスキルアップすることの難しさ
この教室の授業のスキルアップに関しては体育教師は他教科の先生よりも上達しにくい傾向にあります。
理由①場数が違う
なぜなら他教科 授業=教室10体育科 授業=教室外7:教室3のようなことになり圧倒的に場数が足りません。
理由②好きで得意なわけではない
社会なら自分の得意分野の地理なら地理世界史なら世界史という感じで得意分野で勝負できますしかし、体育教師は運動好きが多く保健が好きで教師として働くことを志す人は非常に少ないと思います。つまり、モチベーションを高くしないとなかなか向上しません。
理由③副教科である
勉強が好きな生徒は多くありません。「テストに出るかどうか」「受験に必要かどうか」という基準で力の入れ具合を変えることは当たり前です。これは否定されるものではなくわれわれ大人も自分に興味のないことはあまり真剣に聞くことなくスマホをいじってしまうなんてことは当たり前にありますね。副教科というだけで、生徒からすれば「ただ真面目に聞こう」という意識は数学、国語、英語にくらべて低くなります。だからこそ、こちらもリラックスしていろんな話をすることが求められている気がします。
そんな3点を乗り越えて、生徒に役立つ保健の授業を目指していきましょう。
■教科書の構成を知ろう
教科書を開いて、「どうやって50分をもたせようか。」と考えていては行き詰ります。まずは教科書の構成を知り、要点をつかんだうえで中身を膨らませていきましょう。
保健の教科書は1テーマ見開き2ページ。なんでもかんでも2ページでまとめてあります。さらに見てみると、2ページのうち左ページに2ブロック、右ページに2ブロックの計4ブロックで構成されていることがわかります。
例)

1 私たちの健康のすがた
1、わが国における健康水準の向上①平均寿命ののびと死亡率の低下②健康水準向上の背景
2、わが国における健康問題の変化①生活習慣病の増加②新たな健康問題
という感じです。まず、その構造を理解することが大事になります。
■4コマ漫画+まとめ
それぞれのブロックで何が書かれているのか何を伝えようとしているのか整理しましょう。教科書は偉い先生方の知性の集合知。最低限知って欲しいことがまとめられています。
しかも上から下に、左から右にしっかりと流れるように文章が構成されています。つまり1−①→1−②→2ー①→2ー②とうまく流れているのです。
でも、その骨格をしっかり理解しておかないと何を言ってるのかわからなくなります。だからまずは極力シンプルにまとめてみましょう。4コマ漫画を作るぐらいの感じで構いません。むしろそれぐらいシンプルにしないと本質が見えてこないものです。たとえばこんな感じです。






タイトルを除くと「4ブロック+まとめ」でまとめました。
まず、ここから始めましょう。授業中にあわてて、生徒どころか喋っている教師も「何言ってるんだろう」となりがちなのは単純です。教師自身が、「何が書かれているのか」「何を伝えるべきか」「結局は何を教えたいのか」を整理しないので話の持っていくところがわからない、着地点がわからないのでだらだら続くんですね。
■自分のマジとネタは1:1。緊張と緩和のあとに質問を。
まず、本質を掴んだら授業の流れは見えてきます。あとは何を話すかを考えましょう自分がまず念頭に置いているのは
①自分のネタを2つ
②生徒に聞くこと1つを用意すること
これぐらい用意できれば教科書の補足説明などを行えばあっという間に50分です。安心してください。ネタ2つもムリだと思うかもしれませんがポイントを意識すればそんなに難しくありません。
その時のポイントは緩急、つまり緊張と緩和です。真面目なネタを一つ作り、面白ネタを一つ付け足すだけです。真面目なネタはネットを探してもいいし、結構転がっているものです。できれば教科書外から引っ張りたいところです。
つまり教科書説明→真面目ネタ→面白ネタ→生徒に質問と進めば、生徒の心理とすれば普通→緊張→緩和と続くので真剣さの中にリラックスがある状態で受け答えができるので自由な発言がしやすくなりますね。
緊張→受け答えでは、その生徒が可哀想です。
1:1のバランスを意識して話す内容を考えれば発問を考えるのも楽になります。ぜひ参考にしてみてください。
このような準備の手順を知っておくだけで教材研究が少し楽になるのではないでしょうか。『4コマ漫画+まとめ』『1:1のバランス』これで初心者卒業は早くなるはずです。一緒に頑張りましょう。