こんにちは、この記事を書いているのは1月18日。新年が明けてもう2週間以上経ちました。
年越しは昼間から酒三昧だったので10時過ぎには就寝。
年越ししてからチビチビと笑ってはいけないや紅白歌合戦を観ています。
この年末に話題になった人と言えばなんといっても“氷川きよし”さんでしょう。
さまざまな憶測が飛び交い、ワイドショーも煽ってさらに盛り上がるという構図。
当然、年が明けると各誌いろいろと書いてきますが、サイゾーは一味違います。

忖度なしの切れ味。まさに人権教育の視点。教師はここから学ぶことが多いのではないか?
今回の記事は「氷川きよしさんの変身で人権教育。そのポイント」です。
目次
氷川きよしの変身。本人が語ったこと。
氷川きよしだけでない、誰しも罹る可能性のある“呪い”
氷川きよしさんの変身は芸事では珍しいことではない?
生徒に伝えたいことは何か
氷川きよしの変身。本人が語ったこと

インスタグラムの投稿でウェディングドレスのような衣装を着た写真が投稿されたり
ヤクルトスワローズの試合で始球式をしたときに短パンでムダ毛なしのつるつる美脚を披露したり
「演歌のプリンス」と呼ばれる氷川きよしの様子がなにか違うとタイムラインでザワザワし始めた2019年。
しかし、普段はテレビも見ないしタイムラインにそんな投稿があったとしてもググって調べることもしなかったけど、レコ大と紅白歌合戦の様子や楽天マガジンでGQ JAPANの姿をみると「たしかに様子は違うな」と思うと同時に「なんか羽生結弦的な感じだな」という印象を持ったぐらいだったが、世の中のざわつきは、予想を超えて大きな波となっていた。
演歌を背負って立つ、国民の孫。これが氷川きよし。そのイメチェンに保守層はまったくついていけず、置いてけぼり感をもったのか。また、単なるゴシップ的に面白がる人もいるだろう。
とにかく日本中がざわついた感じがある。
この変身について本人が語ったこと
GQでのインタビューを要約してみよう。
- 幼少の時から“美”に対するあこがれが強かった。小学校時代は「おかま」とか言われていじめられた。こうした経験から、その世界を出さないように我慢していた。
- 演歌の世界に入り「演歌歌手だから」「男だから」「目の前のお客さんが求めているから」ということを考えて無理して振る舞っていた。
- 今では「男らしく生きて」と言われると自殺したくなる。
- 母親が「自由に生きていいよ」と言ってくれて楽になった。
というようなことを語っている。ここには教育現場でもよく見られる、ある“呪い”が氷川さんを苦しめていたんだなということがわかる。
「〇〇だから、こうしなければならない」という“呪い”
このようなことは、無意識に使われているフレーズである。
- トイレに行ったんだから手を洗いなさい。
- 本を読んだんだから、直しなさい。
という「しつけ」のことから始まり、
- 男だから黒のランドセルにしなさい。ピンクより青にしなさい。
- 女の子はこういうのが好きなんでしょ?
こういったジェンダーに関すること
自分が経験したのは
「野球部なんだから、しっかりしなさい」
いや、野球部関係なくない?やたらと野球部、野球部うるさい担任でした。自分の野球部のイメージを勝手に押し付けてくるパターンですね。
あと最近タイムラインで多いのが
ホリエモンが言ってるから(正しい)的な無名のツイート
それを自分で咀嚼して、行動して、自分の意見を言ってください。ホリエモンが言う→それを使って誰かを否定するってのは違うでしょ。
こういうことは今も昔もあらゆるところで起こっています。
それにはメリットもデメリットもある
この手のフレーズは全否定されるものではなく、メリットもデメリットもあるはずです。
【メリット】
- トイレ行ったんだから手を洗おう
ってのはみんな守ってほしいですよね。インフルエンザにノロウイルス不可避になってしまいます。
- 野球部なんだからしっかりしなさい
ってのは甲子園を目指すタイプの野球部独特の雰囲気が学校全体に広まっている証拠です。腹立ちますが、厳しい目線で過ごしたことで、立ち振る舞いや言葉遣いなど身についたと思いますし、どうすればリラックスできるかも同時に独自研究もしました。休む時間は自分で作り出すマインドは働きだしてからも転用可能なスキルになってます。
なにより何万人の前で野球の試合をしようと思って入学しているので、他者の厳しい目線に負けてたら、話にならないわけです。まあ賛否両論ある部分ですが、日本の現状を踏まえると、よい環境で過ごせたなと後になって思えます。(後世に同じことをさせるかは別問題)
おそらく氷川きよしさんも「演歌のしきたり」「演歌のプリンスとしてこうあってほしい」というもののある種演じながらでも全うしてきたからこそスターに慣れたという点ではメリットを享受してきた部分もあるはずです。演歌の道に進んだからには演歌の手法を守るという「守破離」の「守」を懸命にやってこられたのだと思います。
【デメリット】
本当は男らしい服装をしたくなかった
LGBTQの方のコメントを聞いたことがある人は多いと思います。この手の「本来そうあるべき」という世間の常識や空気を読んで苦しむ人は多いのです。
母親なんだから、子どもの面倒をみて当然
という呪いにかかっている人はあとを絶たず。中学受験後に
本当は受験したくなかった。
と言い、入学後まったく学習に向かえずバーンアウトする生徒はあとを絶ちません。
この手のフレーズは人を成長させることもありますが、負荷が大きすぎたり、取り扱いを間違えると心を傷つけてしまうものなのです。
2種類の我慢
我慢というのは「自分で課す我慢」と、「世間や常識に課される我慢」があるのではないかということを最近考えてしまいます。
高校野球で語られる猛練習がいいか悪いかは別として、自分で課す課題としてとらえられる選手は頑張れてしまう。乗り越えていける。
でも、氷川きよしさんは世間から押し付けられた我慢であり、その要求に何年も答え続けて、心がすり減ってしまったんではないでしょうか。よくうつ病にならなかったと思います。
世間に出れば我慢はつきもの。なくなりません。
この2種類の我慢をうまくバランスを取りながら生活することが求められるのかもしれません。
氷川きよしさんの変身はさらなる高みへと引き上げる可能性がある
芸事の世界において、男性が女性っぽい服装をしたり、女性を演じることは当たり前のようにあります。
美輪明宏さん
美川憲一さん
または、歌舞伎の世界などなど

演歌は中高年層に人気
歌舞伎は女性にも人気
こうなってくると新しいファン獲得の道も見えてきます。
自分が小学校の時代は紅白歌合戦に美川憲一さんや小林幸子さんの衣装で盛り上がる時代でした。
これから氷川きよしさんは、紅白歌合戦でも異彩を放ち、彼を観なくては年を越せないと言われるほどの輝きを放つかもしれません。

タレントではマツコ・デラックスさんにりゅうちぇるさんなど、男性が女性的なファッションやメイクをする中でブレイクしています。
そして、今の若者の間では男性もメイクをする時代だそうです。
男子もコスメをする時代。歌でなくとも、男子コスメユーチューバーになれば即大人気でしょう!!!
こうして男性なのか、女性なのか半信半疑な状態で中性的な魅力を武器にこれからの飛躍が十分に期待できます。
生徒に伝えたいことは何か
ここが1番重要です
氷川きよしさんのインタビューや記事をもとにあーだこーだ言ってきましたが、結局は生徒に何を伝えるべきなのかということです。
SNSの様子を見ていると「ヘイト、差別、笑う」というグループと「多様性が大事」と一言添えて、リツイートするグループに分かれているように思いました。
この2つのグループ。じつは両方とも“無関心”ということでは一緒です。
前者は分かりやすいですが、後者もじつは“自分はこっち側の人間アピール”であり氷川きよしさんのことを理解しようとしているかというとそうではないように思います。
遠くを見て憂いている。k泉大臣みたいなもんです。
何が大事なのか?
それは先日書いた記事のはるな愛さんの言葉ともリンクしてきます
「目の前の人を理解しようという気持ちを持って接すること」
これに尽きるのです。
LGBTや人種などの差別やヘイトは、ヘイトを言う人の問題であるという話をしました。その人の心のありようが変わらなければ問題は解決しません。
なので、教師はその生徒の心にアプローチしたいところです。
それは考えるとハードルがすごい高いので正直避けたいところですよね。
こうして、「差別、ヘイト、笑う」というグループと「黙っている。意見を言わない」グループに分かれてしまいます。(ここではSNSの空間は取り扱いません)イジメを生む教室の構図そのものとも言えます。
自分の中の常識から外れる人に石を投げて、一緒に投げる人と仲間であることを確認するような人間でいいのか
違いがあるから、自分に価値がある。
他者にも自分と違うところがある。
それをわかり合うことがコミュニケーションなんだと伝えたい。
1番の悪は無関心。
自分も含めて氷川きよしさんは縁のない人かもしれない。でも、身近な人に同じ境遇で苦しんでいる人がいるかもしれない。もし、その人と出会ったときにどう振る舞うことができるのか。
ぜひ、その人がなにをされたら嬉しいのか。なにをされたら傷つくのかを理解しようと接して欲しい。
芸能人は注目度が高く、このような変身にはかなりの苦悩があったとは思いますが、氷川きよしさんの決断が多くのマイノリティの方の救いとなるように、教師の立場からも応援していきたいと考える次第である。
今回も楽天マガジンで勉強させていただきました。
明日からも生徒のために汗をかきましょう!!