【保健の授業】2-5家族計画と人工妊娠中絶

保健の授業

こんにちは。ホケンタイイク246です。

いま自分には娘がひとりいるのですが、ふたりめもという話が進んでいます。

「子供が欲しい」「3人ぐらい欲しい」

「30までには結婚して子供産みたい」

「子供よりもなるべく多くの国へ行ってみたい」

などなど、一度きりの人生をどのようにプランニングするのか。

それを家庭内で考えていくのか。それが「家族計画」というやつです。

キレイな話をすると「子宝は授かりもの」ということも言えるのですが、

お金、仕事、保育環境などなど現実的な問題は大きなものです。

そもそも家族計画をするにあたっては「なにを考えないといけないのか」がわかってないと考えようもありません。

その結果、どうなるのか

  • ググって検索上位の言葉を鵜呑みにし、謎のドリンクを注文してしまう。
  • 友達の経験談を踏襲し、根拠のない避妊法を信じた結果”望まない妊娠”をしてしまう。

ということにつながっていきます。

すべてのことが上手くいくわけはないですが、「自分で考える」ことで結果に対しての納得感は違います。

教師としては、生徒たちに「自分で考える」ための心構えや考えるポイント、自分の経験談などを伝えていきたいと思います。

目次

  • 教科書チェック
  • 産みたい
  • 妊娠しない
  • 妊娠したくない
  • 妊娠してしまった
  • まとめ

教科書チェック

家族計画とはなにか

その問いに対して教科書は、このように回答をしている

望む時だけ妊娠するようにし、

望まないときは避妊する

子どもを産む産まないはコントロールできるし、

教科書にわざわざ書いてあるのだからコントロールすべきである。

ということを生徒は感じとる。

全体の見通しをもとう

この言葉に対して、道行く人はどんな反応を示すだろうか

  • 「その通りだ」という人
  • 「そんなに甘くない」と妊活が上手くいかなかった人
  • 「避妊していたのに妊娠した」という人
  • 「アクシデントのように授かったが、とても幸せ」という人

多種多様なことは間違いない。

そのすべてに対して話をしていたら、どれだけ時間があっても足りない。

だからこそ、授業ではこう考える

大きく4つに分類し、何が待ち受けているのかを考える。

さらにその奥に、深めたい、議論したい話はあるのだが、

まずはこの4つから考えることをはじめてみたい。

まず「妊娠したいか、したくないのか」というフェーズがあって、

その一歩先までを授業の中で説明していきたい。

産みたい

もっともポジティブな項目である。

パートナーがいて、その人とのあいだに子供が欲しいという状態である。

ステップ1 体の状態を知ろう

まずは、自身の体の状態をチェックすることをお勧めする。

これは産婦人科でやってもらえる。

自分の生殖器の状態などを調べてもらうことで、

問題なければ安心して取り組むことができるし

問題があれば、すぐに治療に取り掛かることができる。

また排卵日の予想もしてもらえるので、可能性を高めることができる。

「急がば回れ」ということわざがあるが、

妊娠を考えているのであればまずはここから始めることが、

近道になるものである。

ステップ2 その他の準備も必要になる

妊娠すれば、生活サイクルを変更せざるを得ない。

妊娠期間中や出産後に向けて仕事をどうするのか考える必要がある

  • 収入
  • 時間
  • 体力
  • 保育環境
  • やりがい

などの項目について考えながら、いまの現状と照らし合わせて、

  • つづける
  • やめる
  • 転職する

といった選択をしなければならない。これは簡単にできることではない。

そのほかにも

  • お金
  • 家事
  • 息抜き

などが必要になる。

妊娠期間中は女性は動くことができない。

だからこそパートナーの支援が必要になるのは当然で、

出産後の生活スタイル(収入源・家事・育児・休息)などについて、

考えていかなくてはいかない。

「子ども欲しいな~」という思いだけで、なにも考えてなければ

時間とお金と精神がすり減っていくだけである。

その意味で準備があればそれに越したことはないのである。

妊娠しない

妊娠したいけど、妊娠できない。

妊活(妊娠するための性行為)をはじめて半年から1年経っても妊娠しない。

この状態を「不妊」という。

そんなカップルは非常に多い。

原因はさまざまである。

  • 男性の精子の状態
  • 女性の卵子の状態
  • ストレス
  • タイミング

社会の流れとして初婚年齢が高くなっていることや、

添加物が多く入った食品を食べ続けてきたことなど、

不妊につながる要素をあげればキリがない。

大事なのは、その状態でどのような手段を選ぶのかということである。

そこで、医師の助けを借りながら取り組むことを「不妊治療」という。

原因をさぐる

不妊治療には大きく2つの柱がある。

1つが「原因をさぐり、治療すること」である。

検査、精密検査を行うことで不妊状態を作り出す原因をさぐる

この本で紹介されている検査項目はこちらである。

この一覧でわかるのは、「不妊状態は多様である」ということ。

単純ではないのである。

すべてが良好でないと妊娠できないということではないが、

原因を探し当て、必要な治療をおこなうことで

妊娠できる状態にしていくことが目的なのである。

妊娠法にトライする

  1. タイミング法
  2. 人工授精
  3. 体外受精

3ステップでおこなう。

1→3にかけて高度治療になる。

したがって治療費も大きくなる。その大まかな費用は図にも示している。

通常は①から順番にはじまるのだが、③からはじめる場合もある。

これは個々の状況に応じて変わる。

心の問題

ここまで読んで、この問いに対して、あなたは何を思うか。

「ここまでして子供が欲しいですか?」

ということである。

「性行為してたら、できてた。」

ではなく、病院に出向き、検査し、結果に応じて行動する。

そして治療費もかかる。

「時間」と「お金」をかけて毎月、毎月「できたか、できなかったか」とソワソワする。

これは精神的にキツイものである。

ある程度の期間がたっても妊娠しない場合、

カップル同士での気持ちのズレが出てきてしまうことも少なくない。

  • いつまで頑張るか
  • どこまで挑戦するか

ということはパートナーとよく話し合うことも必要である。

自身で妊娠出産が困難な場合

  • 養子縁組で子どもを受け入れる
  • 子どもがいない人生を謳歌する

という選択肢も視野に入れることも必要だと思うのだが、

周囲の人間がたやすく言えることではない。

本人の考えに委ねられる部分である。

そう考えると、ふだんから自分で考えて行動することを習慣化しておくべきだとも思う。

妊娠したくない

「妊娠したくない」と考えるひとの多くは、

「性行為をしたいが、妊娠はしたくない」ということだと思う。

(性行為に全く興味がなければそのようなことは考えない。)

性行為の主たる目的とは違うのだが、性行為をコミュニケーションの一環としておこなうという文化が根付いているので、そのように考えるひとは非常に多い。

避妊法

性行為をするが、妊娠を防ぐ

これを「避妊」といい、その手法を「避妊法」という。

避妊法はさまざまあって、全部は紹介できないが

教科書にはコンドームと定量用ピルの解説が載っている

基本的な情報は読み合わせをしていく中で理解を深めていければいい。

そこに加えたいことはなんだろうか?

コンドーム

  • 射精前にコンドームをつけても意味がない
  • コンドームをつける練習をしておくこと
  • 財布に長年眠っていたコンドームは使うな

定量用ピル

  • 副作用はあるが、個人差がる
  • 生理痛を和らげる効果もある
  • 試さないとわからないことが多い
  • 保護者の中には嫌悪感を抱く人が多いが、自分で考えて行動すべき

といったところだろう。

仲間内での噂話、母親からの呪いによって非科学的な情報に踊らされないようにしたい。

リズム式とIUDが教科書に掲載されない理由

リズム式を避妊法として採用する場合、性周期が一定である必要がある。

未成年は生殖器がまだ未熟であるため、性周期は一定ではない。

「リズム式でいいじゃん」と、前回の生理から逆算して性行為をしてみても、

その月の生理が計算通りにやってくるとも限らないのである。

後述するが人工妊娠中絶の減少のためにも、

「教えないほうがいい」

と考えられたのかもしれない。

IUD

このような器具を子宮の中に差し込むことで着床を抑制する。

  • 安価でおこなえることではない
  • 痛みや出血をともなうことである

という面があるのだが、教科書に掲載されない理由としては

「これをすれば妊娠せずにセックスやれるじゃん」

と安易に考えられると困るからではないか。

性感染症の予防はできないし、妊娠する可能性もある。

この場合の妊娠は多くの場合、子宮外妊娠になるという話だ。

これを紹介するわけにはいかないのだと思う。

でも、コンドームとピルだけでいいのか

自分としては、

なぜこの方法は教科書に掲載されているのか

なぜこの方法は掲載されていないのか

を考えさせることに価値があると思う。

  • コンドームとピルは説明
  • その他の手法が掲載されない理由を思考し
  • それをまとめる

という方法を試してみたい。

こうすることで、理解が深まったり、思考が立体的になると思う。

妊娠してしまった

人工妊娠中絶と聞いて何を感じるだろうか。

「避妊に失敗した人」ぐらいにしか思われていないかもしれない。

でも、日本では年間2万件。毎日55人の計算である。

人工妊娠中絶の数は流産もカウントされるので、一概にはくくれないのだが、

10代の人工妊娠中絶は、その多くは「避妊の失敗」である。

だからこそ、そのことを学校で教えることは、

遠い先の話ではなく「今、ここ」の話なのである。

でも、どのように教えることがいいのだろうか?

事実で恐怖を与える

  • 数を伝える

さきほどの数字をしめして、

「実際にこれだけ起きている。あなたにも可能性はある」

と考えてもらう方法である。

  • 人工妊娠中絶は合法的な殺人である

中絶の手法を紹介することで、

「可哀そうなことをしている」

と考えてもらう方法である。

胎児は全力で生きようとしている。

だから、バキュームやペンチから逃げようとしたり、抵抗する。

生きようとしているのの命を摘むのだから、

それは罪深いことだと印象付けるのである。

恐怖だけを与えるリスク

でも、恐怖だけをあたえることはキケンだ。

中絶する側の人にはさまざまな背景がある。

たとえばレイプなどで妊娠させられる場合もある。

その背景を考えることなく「中絶=だらしない奴」「中絶=殺人」

というようなレッテルを貼ることは許されないからである。

  • 中絶しないように教育するために注意喚起すること
  • その状況に置かれたひとに対するいわれなき誹謗中傷が起きないようにすること

2段階の指導が必要なのである。

SNSでの誹謗中傷が話題になる昨今において、

重要なことであると思う。

まとめ

これで、妊娠・出産について網羅できているとは思わないが、

「自分で考えないといけない」

「自分でしっかり考えて行動しないといけない」

ということを生徒にわかってほしい。

日本人は周囲の空気を読んで行動する癖がある。

何となく行動して、後悔することが多いのである。

そういった生徒がすこしでも減らせるように、

保健の授業があるのだと思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

明日からも生徒のために汗をかきましょう!!

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