こんにちは。ホケンタイイク246です。
夏休みに入り、三者面談をしております。
雨天の関係で野球の大会日程が変更となり、面談の時間変更を行ったのですが、
快く引き受けていただき助かりました。
そんなこんなであと一人まできた三者面談。
世界的名著、FACTFULNESS(ファクトフルネス)を読むと、母親の心理が悲しいほどわかってきます。
きょうは、その一つを紹介させていただきます。
目次
- 目が死んでいく子供たち
- 犯人捜し本能
- ガイジン病ならぬオカン病
- システムを活用しよう
- まとめ
目が死んでいく子供たち
三者面談をしていると20分という短い時間のなかで
「ここまで人の目は死んでいくのか!?」
と驚かせられることがある。
母親からの叱責である。
テストの結果から、生活態度、時間の使い方、スマホやゲーム云々かんぬん
教師が言いそうなことを一通り言ってくれるのでこちらとしては楽なのだが、
子どもとしてはたまったもんではない。
わーーーーっと捲し立てたあと、
「ねえ、先生?そうですよね。」
と念を押してくる。
こちらとしては「そうですね。」という他なく、残り時間を彼のフォローに充てるしかない。
死んだ目では何事もうまくいかない。
どんな状況であっても「どう頑張るか」を考えないといけないのだけれども、
その雰囲気を作らせてもらえない。
母親は母親で真剣そのものだし、言っていることは自分が言いたいこととほとんど同じ。
でも、トーンが変われば、受け取り方も、その後の行動も変わってしまう。
母親も、そのようなことを言うことは本意ではないことも多い。
なぜ、母親は子どもを責めたててしまうのだろうか。
犯人捜し本能

人は、悪い出来事が起きたときに「単純明快な理由を見つけたくなる」のが犯人捜し本能。
上の図でも示されているように「外国人が日本に来る人数が増えているが犯罪率は上がることなく、むしろ下がっている」というファクトが示されている。
しかし、「移民が増えれば犯罪が増えて、治安が悪化する」という主張は非常に多い。
人は得体のしれないものに怖さを感じると、(実体を調べもせず、)実際よりも大きく解釈してしまう。
その結果、得体のしれない者を排除しようという単純なストーリーに思考が傾く。
しかもそのストーリーは自分にとって都合のいいものが多く、
この場合は「日本人は悪くない。外国人が悪い」という構造が出来上がってしまっている。
母親のストーリー
三者面談に話を戻すと、母親にとっては子どもの成績が悪いという事実に対して
「私は悪くない。子どもが悪い。」という構造で話を組み立てる。
- こうなることはわかっていた
- いつも言っている
- もう知らない(でも、口を出さずにはいられない)
- もう〇〇年生なんだから
というフレーズを使いながら、どんどん責める。そして子供から目のチカラが奪われる。
どんなことを言おうとも、「犯人はお前だ」というメッセージしか子どもには伝わらない。
母親は受け入れがたい現実から無意識に自分を守っているのである。
ガイジン病ならぬオカン病

人は無意識に「自分は悪くない、犯人は他にいる」と思いたい生き物である。
三者面談では、そのような本能がしばしば見られる。
子どもの今後の話をしたいのに、
母親は別に悪いわけではないという話をしては、
その時間が有意義になることはない。
オトナも完璧じゃない
個人が強く、たくましく、規則正しく行動できたら、そもそも悪い出来事は起きてない。
そして、そんな人間なんてめったにいるものではない。
みんな不完全で凸凹である。
それを周囲の人間に手助けしてもらってやっと生活できているのが現状でしょう。
個でなんでも解決しなければいけないのはキツイ。
イチローだって、個性が強すぎて河村監督からは「その打ち方をやめろ」と干されてたリアル。仰木監督がいなければ世に出てきたかどうかはわからないんですから。
その子にとっての仰木監督に保護者や教師はなりたいものです。
システムを活用しよう

ファクトフルネスでは「犯人捜しよりも、システムを見直せ」と書いてある。
これは航空業界がいい例で、この業界はなにかトラブルが起きた場合、そこに原因を個人ではなくシステムに問題があったと考えて対処する。
パイロットがミスした場合、
- スケジュールがタイトすぎていなかったか
- 育成プログラムが悪かったのではないか
- ミスする要因が他にもあったのではないか
という視点で検証され、そのなかで導かれた再発防止のための取り組みは全体で共有される。
どこまでも「個人の責任」にしないことが徹底されている。
このようにシステムを常にアップデートし、テクノロジーも改良が重ねられるなかで、航空業界の事故は年々減少している。

家庭×学校(×予備校)を見直す
悪い出来事が起きているのは、生徒に問題があるのではなく
家庭にも、学校にも問題があるのではないのか。
この視点で考えられることが、大人には必要ではないか?
その上で、変えられるものは変える。
さすがに実現不可なものは「難しい」と理由を含めて説明する。
その上で、現状での最善のシステムを作っていくことが大事だということ。
オトナが言ったとおりにすれば何とかなると言われても、
「うるせえ、クソ〇〇ァ!!」と、やる気なんてゼロになるのが思春期のリアル。
環境を整理し、目標を考え、その上で行動を計画する。
そうすれば、生徒、家庭、学校の三者の風通しが良くなるというものである。
まとめ

犯人探しではなくシステムを見直す
そこに尽きます。
あとは、「親にとって悪い出来事でも、子どもにとっては悪いことでもない」ということもあって、
こっちのほうが実は大変ですね。
子どもが正直に自分のやりたいことを言えない状況であれば、
三者面談ではなく、子どもと二者面談をして、子どものかわりに教師が伝えるという形で、間に入ることも必要になります。
答えのない問題ですが、自分なりの指針をもって臨みましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明日からも生徒のために汗をかきましょう!!