こんにちは。ホケンタイイク246です。
2学期も折り返し、ゴールが見えてきました。保健の教材研究もあと少し。
修学旅行と研究授業に追われる日々ですが、手を抜かずにやっていきましょう。
さて、今回の授業は4ページ分を一気に50分で展開していきます。
大気と水質・土壌汚染が分けられているのですが、分けるときついんです。そこ分けると大変なのよ。環境を汚染する原因ってだいたい似通っていて、それが空気や水や土を汚してるわけです。2週間に渡って授業を展開すると、同じ話や同じ公式を連発しないといけないので、生徒の集中力は切れてしまうのが避けられない。
ということでまとめて授業します。
目次
- 単元観
- かつての環境汚染
- 現在の環境汚染
- まとめ
単元観

最近は授業のたびに「単元観」の確認をしています。
今回は環境の話が中心ではありますが、インフラや食品、働き方に繋がってくるところが面白いところ。そこまで生徒たちの思考を深めることが今回の目標です。

ここで、忘れ物チェックしながら「今日の一曲」
今回はSKY-HIの「0570−064−556」という曲をチョイス。
この曲は元ネタがあってLogicという歌手がアメリカの自殺相談コールセンターの電話番号のタイトルで「自殺考え直そう」的なメッセージを込めた曲をだしました。
そのアンサーソングとしてSKY-HIが日本のコールセンターの電話番号で「自殺考え直そう」的なメッセージソングを作ったということ。
生徒に説明しつつ、曲を流している間に忘れ物チェック。
ライムうますぎで最高です。
「自殺考え直せ」のメッセージってかなり説教臭くなったり、道徳臭くなって思春期男子には受け入れにくいところがあるはずで、このような曲を紹介することで割と自然に生徒にメッセージが伝わるのではないのかと思ってチョイスしました。
かつての環境汚染
さて、授業をはじめましょう。
水質汚濁や大気汚染の話の定番は「公害」です。
でも、この話題って小学校の社会や中学校の保健でも取り上げられている鉄板過ぎるネタで、進学校に通う高校生に説明するのは「もう知ってるし」とスルーされ単語帳を勉強し出すことは食い止められないリアル。
ということで変化球を繰り出すしかない。
1950〜1970年代の空気を吸う
公害というのは戦後の工業化における負の側面であることは間違いありません。
では、この時期の輝かしい部分とは何なのか?
そこから話をはじめました。

家電の話とか、車やバイクの話などいろいろしつつ、「戦後を克服した」という一つの象徴がこの大阪万博とも言えるという話へ。この1970年に行われた万博を神格化する大人は結構多く、大阪万博を復活させたテーマパークが舞台である「クレヨンしんちゃんのオトナ帝国の逆襲」が大ヒットしたり、この不景気に再び大阪万博を開催させたりというのは、「この時代の日本は凄かった」という何かがあったのです。(俺は知らない)
そんな時代を象徴する(出版は80年代やけど)一冊を紹介。
出ました。「ジャパンアズナンバーワン」
日本すごいぞ!!日本最高!!!
そんな時代。浮かれまくってる時代に強烈なディスを叩きつける映画が公開
今回はゴジラ

公害怪獣というわかりやすいネーミング。そうなんです。日本で起きた公害を取り上げた作品なのです。
この映画の中に公害の原因や被害が広がっていく様子、解決策までしっかり修められている素晴らしい仕上がりになっております。
まずはオープニング
まずは冒頭1分を見せました
- 富士山に青空。いい風景なはずなのに工場や黒煙で台無しになっている
- そこからカメラは下の方に向いてくると汚い海がうつされる
- その海からヘドラが顔を出す。そこでタイトル。
その時代の日本の様子をギュッと表現した秀逸なオープニング
そんな状況下から生まれたのがヘドラであり環境汚染による健康被害ということです

ヘドラは工業地帯を攻撃したり、車を食べてどんどん巨大化していきます。
巨大化したヘドラは硫酸ミストを撒き散らしながら街を混乱させていきます。
硫酸ミストを浴びた人は健康被害というか白骨化してしまいます。その様子はまさにホラー。
工場などから排出されるものが猛威をふるい、人々を苦しめる。便利を追求するつもりが、健康被害を受けてしまうブーメラン。
日本で起きた「公害」というものをよく表しており、一通り勉強している高校生相手に教えるにはちょうどいい教材という手応えを感じました。
コロナ渦とシンクロしていく
ヘドラが暴れ回る都市はどうなっていくのか?

- 工場の封鎖
- 車の運転禁止
というロックダウン。緊急事態宣言ですね。
テレビで専門家が無責任なことを言い、それに市民が影響され「空気を撒け!!」的なことを言い出すカオス。もう空気まみれやろというツッコミは彼らには届かないでしょう。
とにかく緊急事態宣言中のワイドショーとSNSの状況とかなり似ていて怖かった。そんなことを生徒と話をしながら進めていきます。
ゴミの処分の仕方

では、どのようにこの問題を解決するべきなのか?
それはゴミの中間処理が大事になってきます。
なんとゴジラはそのこと踏まえた上でヘドラをやっつけます。
- ヘドラを焼却できる場所まで運ぶ
- 一回弱らせる
- 弱ったところで、細かくする(中間処理)
- 焼却する
という手順を踏むゴジラ。
これって最終処分場で処理されるゴミの扱いとほぼ同じ

ゴジラの戦闘シーンを見せた後に、この図を見せたら生徒は爆笑。
ゴジラはやっぱりすごい。
ラストシーン
なんとラストシーンでは、もう一度ヘドラが顔を出すというカットで終わります。
なぜ?
それは環境問題には終わりがないという現実があるのです。
ここまできてやっと現在の環境汚染についての話に取り掛かります。


この2枚のスライドを説明。この辺も生徒は知っていることばかりなので、問いかけても正解連発。空気は悪いですね。俺のスキル不足かもしれませんが。

大阪は「水都大阪」と銘打っていることを知っておられますでしょうか?
水の都。
昔は道頓堀では船で移動してたりしたようで(ブラタモリ情報)、水都と呼ぶにふさわしい生活がそこにはありました。
https://www4.nhk.or.jp/buratamori/28/
そんな水都大阪を象徴するのが大阪の道頓堀川。
その道頓堀川の水質は下水並。トイレ並。
人が大勢集まる道頓堀は、ポイ捨ての格好の餌食になるし、飲食店の皿洗いの排水も混じっていることでしょう。
長年蓄積されたゴミと流れ込む排水。そもそも琵琶湖から流れてきた水が毛馬の水門で南にグイッと折れてきた水なわけで、長い旅路を経たことを考えるとフレッシュさはゼロ。
どう考えても汚い。虎党の皆さん。優勝してもダイブしてはいけません。
まとめ

この図を使いながら、我々のどんな行動が環境を汚しているのかを解説し、

環境に配慮した消費活動を目指す、
エシカル消費
について簡単に説明しつつ、「電気自動車って欲しいと思う?」とか生徒に質問しながら説明しました。
これからは、消費者が積極的に環境にいいものを選んでいくことが求められるのです。

ゴミをどう処理するのかという課題もありますが、時代は「ゴミを出さない」ための製品づくりや消費活動が求められるのです。
そんなゲームチェンジが起きているんだと説明をして授業を終わりました。
保健の教科書に+αで未来の話をすることで、生徒にとっては「知ってる話をもう一度された」「なんとなく知ってるわ」という考えの上を行くことが可能です。
つまりは教員の教材研究が大事ということですね。
日々努力を続けていくしかありませんね。
明日からも生徒のために汗をかきましょう!!
最後まで読んでいただきありがとうございました。