こんにちは。ホケンタイイク246です。
先日は高校3年生の授業について記事を書きましたが、中学3年生も担当していて、そちらについても書きたいと思います。
本校の体育祭は5月の後半に行われます。中学3年生は集団演技をすることになっていて、中学2年の夏休みから動き始めるのがここ最近の流れです。2年の3学期から週1回のペースで授業で練習を開始。中学3年生の4月になると、すべての体育の授業が体育祭のために費やされることになります。
中3の剣道を担当しているのですが、体育祭が終わるまでは集団演技の手伝いをするだけなので気が楽であることは否定できません。でも、その学年の担当者はそんな余裕はなく、授業をしては主要メンバーとミーティングを繰り返す作業が続きます。
集団演技といえば自分の時代は「組体操」が思い出されます。修学旅行などのレクリエーションでダンスを踊ることはあっても、体育祭で踊るということはなかったように思います。でも、組体操は一部の熱狂的な体育教師による虐待的なものというイメージが全国に定着し、その一方で「ダンス」が定番となりました。
踊ってこなかった教師。踊ることが定着している生徒達。
教師より生徒のほうが熟練度が高い分野において、どのような授業が行われているのでしょうか。
変わらぬピラミッド構造
ダンスとは自己表現で、自由な発想で何にもとらわれないイメージを持ちますが実態は違います。
- 主要メンバー10人ぐらいで考える。
- 主要メンバーが前に出て、教員のリードで展開していく。
- 全員が踊れるようになるまで繰り返す。
この3ステップ。「踊りを考える」「見本をする」という部分を生徒に委託し、授業全体の手綱を引く。これが集団演技の授業風景です。
結局は教師が生徒に「みんなと同じことをさせる」ことにエネルギーを費やすということが続けられています。自分はここに強烈な違和感があります。見た目は変わっても本質的には何も変わってない。教師、動ける奴が上に立つピラミッド構造のなか、全員が踊る(踊らされる)光景はみてて気分がいいものではありません。
これでいいのか?
そんなことを考えながら、音楽の再生や動画撮影など授業の手伝いをしています。
全員でやる。それは即「絆」である。
なぜ、そこまでして「全員が同じ」ということにこだわるのでしょう。「せっかく考えてくれた人たちに申し訳ないと思わないのか」というような、出された食事ををのこした子供が「作った人に申し訳ない」「昔は食べられなかった」と言われるであろうフレーズが授業中にたびたび聞かれる。
もう個人的には聞いてられない。「作りたがってるやつが勝手に作ったんだろうが」と誰か一言でも言えよと念じているが、そんな生徒は現れない。もう淡々と取り組んでいる感じである。
全員が振付を覚えることは可能だが、全員が同じクオリティになることはない。大人数だからこそできる振付ではなく、一人でできることを大人数でやるだけだ。結果的にハッスルしている主要メンバーとそこそこできる生徒たちがいて、下手な生徒たちがいるのだが、全員同じ動きなので目立たない。てか、観客からは3~4列目までしか見えないだろう。後ろの方は誰も見られてないと言ってもいい。
それで「みんなでやり抜いた」「全員で力を合わせた」といわれても困る。そして、さいごには「〇〇期の絆」というフレーズがくっついてくる。
「全員で同じ動きをきっちりやる」ことがいいこと、という刷り込みを学校として続けていっていいのか。いま自分の頭を悩ませている問題だ。
どうすればいい?
集団演技なるものをなくしたい。それが本音だが「代替案をだせ」と言われるのが、いまの勤務校。
管理職は「保護者も楽しみにしている」とも言い出すのだが、インスタ映えのために料理をつくって写真を撮りまくり、冷めきってから食べるなんていう本質からズレた行動だと気付いてほしい。なんとなく考えてはいるものの妙案は出てこない。
課題研究×体育
グループを作らせ、体育に関する研究をさせる。それで優秀な研究をそこで発表、表彰する。(見栄えしないものでなければ物足りないため難色をしめされるだろう)
〇〇×人
ミニ四駆と人が競争したり、ボール運びをドローンと対決する。
サイファー
円を作り、ビートを流す。それぞれのグループが作ってきた演技をぶつける。
まあ、サイファーぐらいはできそうかなという感じ。でもグループが小さすぎると、時間だけがとられるので調整が難しそう。
それぞれが思い思いに体を動かせればそれでいいのに、「全員で」「一緒に」というのを250人でやろうとするから話がややこしくなるだけなんだけどな。ちなみに高校生の体育祭は有志企画なので問題ないと思います。無条件で踊らされることに違和感があるということです。
みなさん。令和の体育祭に集団演技いりますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました。
あしたからも生徒のために汗をかきましょう!!