こんにちは。ホケンタイイク246です。
楽天マガジンで雑誌を物色していると、体育教師の強い見方「Tarzan」の最新号がありました。

中身を見ていると、スポーツトレーニングの世界は新しいフェーズに突入している。
いま熱いのは「モビリティ(可動性)」なんだということが大々的に語られています。

一生懸命バーベルを使ったウェイトトレーニングをしても、体幹トレーニングをしても、ストレッチをしても、なんか成果が出ないとお悩みのあなた。
それは「モビリティ(可動性)」のトレーニングをしてないからですよ。
「ええ。モ、モビリティ??」
というような通販番組のやり取りが聞こえてきそうなんですが、トレーニング界は新たなフェーズに入ったということです。
トレーニング界の変遷をTarzanはまとめてくれています。

具体的な効力やトレーニング方法は雑誌を読んでください。
このTarzanで一番面白かったのはアスレチックトレーナー2人による対談でした。

この対談には「アスリートにとって何が大事なのか」「練習とは何か」ということを考えるヒントが詰まっている。おそらく色んなトップアスリートと接し、それ以上に似非トレーニングにも接し、その中で積み上げられたものがにじみ出ている。そんな風に読みました。
今回の記事はTarzanを読んで「なぜ練習をするのか」について考えたことを書きたいと思います。
目次
- アスリートの体
- アスリートの練習
- プレーが先、トレーニングが後
- なぜ練習するのか
①アスリートの体
お二人が仰っているのはアスリートの体は決して理想的ではなく、その競技に特化した体であるということです。
あるプロ野球選手の場合、一般人よりも体が硬く可動域が狭い。でも、その選手は自分の可動範囲内でうまく体を使ってプレーする。プロ野球選手になるぐらいなので、そのスイングはとてつもなく速く、足も速く、とにかく野球がうまい。
また、担当したフィギュアスケートの選手は練習で長時間スケート靴を履き続けた結果、足首が固まってしまい全然動かない。圧倒的に上手なスケーティングができるが、陸でスムーズに走ることができない。
アスリートの体は理想的で、何でもできると思いがちですがそうではない。
その競技に必要な動きが抜群に上手で、そのほかは並以下ということはザラにあるのです。
アスリートの体は決してバランスがとれていて、何でもできるわけではない。
それは練習内容がそうさせている可能性があります。
②アスリートの練習
アスリートの練習は、目標がある。運動のための運動ではない。
- 目標を持つ
- 実際にやってみる
- できない理由をさぐる(検証・分析)
- できない理由をつぶす(=練習)
- 達成したら別の目標を持つ(①に戻る)
このサイクルが基本です。(察しのいい人は「けテぶれ」を思い出す先生もおられるかもしれません。)
- 140キロ投げたい
- 135キロ
- 下半身が使えていない、背筋力がない
- ランジトレーニング、メディシンボール投げなど取り組む
- 達成。次は145キロ
単純にするとこのようなサイクルを回したい。
同じ135キロから5キロの球速アップのために必要な練習は個人によって異なります。
それを検証し、分析し、正しく取り組むこと。これが練習です。
決められた練習を単純に続けるだけで上達するほど甘くないし、根性で、がむしゃらに取り組むことはケガのリスクにつながります。
アスリートの練習というのは、バランスのよい体つくりというよりも「競技で結果を出すため」に行われるため、その競技に特化した体つきになっていくのです。
③プレーが先、トレーニングが後
アスリートと同様、体育の授業であっても「まずプレーすること」を優先したほうがいいと思っています。
よくクラブ活動において「1年生は基礎体力をつけることが最優先」ということでトレーニングばかりさせられる話をきくことがあります。でも、これって現場の人間からすれば「場所がない」ことのすり替えだったりします。
これで結果を出せる学校というのは「いい選手が集まっているから」であって、基礎体力がついたからうまくなったわけではない。技能の上に体力がついたときにはじめてトレーニングが競技力を高めてくれます。
筋トレが競技力に直結するなら、ソフトボールの授業でアメフト部はメジャーリーガー並みにかっ飛ばしても不思議ではないのですが、そんな生徒を見たことはありません。
筋トレを取り入れて素晴らしい実績を残しているダルビッシュ有投手や大谷翔平選手がいます。有名な話ですがダルビッシュ投手は中学時代に直球は140キロを超え何種類もの変化球を操っていて投手としての技術が抜群に高かった。大谷翔平選手は小学校の時にホームラン競争をしたら圧勝。指導者によると「どの角度でバットをボールに入れれば打球がホームランの角度で飛んでいくかを理解していた」というのです。
技術の上に体力。
そんな単純じゃないということはわかっていますが、自分に技術的な自信があるかないかは何よりも大事だと思います。
④なぜ練習するのか
最後に「なぜ練習をするのか」ということのまとめなのですが理由は2つ。
- できないことをできるようにするため(トレーニング)
- 競技において絶対的な自信をつけるため
トレーニングとは筋力や柔軟性を高めたり、自分のパラメーターを上げること。
また、ダイエット目的であれば体重という数値を減らすことです。
ただ、目標めがけてひたすらにトレーニングをしても、途中で怪我をしては意味がないのでコンディショニングも大事だし、バランスを整えることが競技力を維持することにもつながるに違いない。
でも、「まずは基礎体力」「まずはバランスチェック」からではないということ。
そのあたりの順番を間違えないように順序だてて指導していきたい。
だから、最初の話に戻すとモビリティのトレーニングをしてないからあなたは問題を抱えているのではなく、何が問題で、どう取り組んでいいかわからないからできないままなんだということです。
新しい方法論は次々出てくるのですが、自分自身のことを理解しないといつまでたっても変わらないままということですね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
あしたからも生徒のために汗をかきましょう!!