野球部の監督を1年やって考えたこと

こんにちは。ホケンタイイク246です。

なんだかんだ俺も野球部の監督をし始めて1年以上経っていて、チーム作りをどうしようかと日々模索してる。ゆくゆくはよほどの強豪校でない限りコールド負けしないチームを作っていきたい所存。

もちろん教師の本業は授業とクラス運営なわけで、ある意味クラブ活動はオマケではあるんだけど、実際に監督をしはじめて見えてきたこともある。

ということで今回は実際の俺の大会成績と共に、俺の野球スタイル、仕事における部活の考え方を解説する。

この記事の目次

  • クラブ活動のメリット(生徒視点と学校視点)
  • クラブ活動には金では買えない体験がある(かもしれない)
  • 夏の成績は1回戦負け
  • 監督をはじめて1年経過した心境の変化
  • 1年間の活動で成功したこと・失敗したこと
  • 眺めるのと賭けるのとは違う

クラブ活動のメリット

まずクラブ活動は損か得か、やるべきかそうでないか論争だけど、本人の自由にさせればいい。日本のクラブ活動が優れている点は授業が終われば、その敷地内で好きな活動に取り組めることだ。しかも少額で。

授業は受けなければ単位を取得できないので選択の余地はないが、部活動は自分がやりたいことができる。これが授業と部活の違い。

つまり、面倒くさい授業があっても放課後にクラブができる。座りっぱなしで固まった体を目一杯動かすことで疲れるけれど心も体もリフレッシュできるサイクル。世のサラリーマンや主婦たちが時間をやりくりして作り出す時間を、学校は時間と場所と選択肢をほぼ無償で用意しているんだ。

硬式ボールを思い切り打てる環境は学校を除けばほとんど存在しない。バスケットのゴールも同様だろう。生徒目線で見れば学校という資源を大いに活用してやりたいことをやればいい。もちろん強制はしない。

教師目線で考えるとクラブ活動の活性化は学校の帰属意識と繋がっていて大いに利用すべきだ。ノリノリで勉強する生徒は少ない。みんな受験のために仕方なく取り組んでいる。アメとムチという言葉があるように我慢させる一方でやりたいことをさせる姿勢を見せることが必要だと思う。自分自身、授業の思い出などほぼない。クラブ活動、休み時間、下校中など授業から解き放たれた時間に青春がある。授業がいらないと言いたいわけではない。

学校は放課後に資源を生徒のために開放し、選択肢を与える。その中から生徒はやりたいことがあれば選ぶ。それでいいと思う。

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クラブ活動には金では買えない体験がある。かもしれない。

現在勤務している学校は中高一貫の進学校で生徒は常に受験を意識しながら生活している。その中で運動系の部活をすることはそれなりの覚悟が必要になるんだ。

小学生が普通に生きていれば「中学受験したい」という発想には行きつかない。ほとんどは「中学受験すべきだ」という親がいて、その子どもが受験することになる。つまり本校は勉強や成績を第一と考える親が多い学校に自然となる。

その環境でクラブ活動をすることは「勉強を疎かにしないのでクラブ活動させてください」という親への宣言が各家庭で行われている。俺が行ってたクラブさえやっとけば何とかなる中堅学校とは訳が違う。授業もハイレベルで進度が速く、そのうえ常に受験というプレッシャーを与えられている。したがって成績下位者は試験の度に「クラブ辞めろ」と説教を食らったり、本当に辞めていく。

クラブは損か得か

クラブ活動を損得で考える人の傾向として「大学受験に有利か不利か」という基準がある。その基準で測れば甲子園に出る可能性が低い学校で野球をやることは大学受験に関係ないこととカウントされ、野球の時間は大学受験には関係のない時間と見なされ、「クラブ活動は損である」という論理で生徒を殴る。

でも、クラブ活動の目的や意義はそこにはない。

海外旅行やテーマパーク、音楽ライブやゲーム。チケットやデバイスなど金を払えば体験できるモノが溢れている。でも、クラブ活動で体験できるかもしれないことは金では買えないものがたくさんある。

野球でいえば、いくら金を持っていてもホームランを打つことはできない。それができるのは漫画『4番サード』の長島茂雄だけだ。投げられた球を打球速度150キロ45度の角度で打ち返すことは練習して力をつけないと打てない。ホームランを打ったことがある人はわかると思うが、自分の打球がはるか遠くへ飛んでいく光景、手に残る感触、周囲の歓声。やみつきになるほどの快感がそこにはある。でもそれは金では買えない。

練習すれば打てる。かもしれない。

練習すれば勝てる。かもしれない。

苦労すれば報われる。かもしれない。

クラブ活動をしなければできない経験がたしかに存在する。それが実現するかしないかはわからない。でも、挑戦しなければ実現することもない。

そこに意義を見出せるかどうかがクラブ活動をすべきかどうかの判断基準だと思う。

幸い、うちの野球部は「やるからには全力で」という姿勢をもって取り組んでくれている。せめてこの時間だけでも好きなことをやりたいと思っているのかもしれない。監督として、強い弱いとか勝てる負けるとかではなく、生徒の背景や気持ちを考えるようになった。

夏の成績は1回戦負け

監督となって初めての大会の成績は3−5の1回戦負け。

最終回1死満塁まで攻めたが相手投手のコントロールと集中力が素晴らしく惜敗。

その学校は5回戦まで駒を進めたことと、勝ち上がり方がほとんどコールド勝ちだったことを考えるとクジ運次第ではもっと勝ち進めたし、力のあるチームだったと思う。でも勝ってない。

勝ち負けは時の運なので、このような力のあるチームにコールド負けせずに勝負できるチームを作り続けることが大切。

監督をはじめて1年経過した心境の変化

まあ限られた時間と設備の中でいいチームができたしよかったよかったという話ではあるんだけど、監督というのは毎年毎年チーム作りをしなくてはいけない。しかもスカウトなどしてない進学校となれば戦力はまばらである。新チームとなって考えさせられることが何点かある。それが下記。

基礎の基礎を練習すべき

チーム力は新入生が入ればわかる

新チームとなってアレもコレもできない状態が露わになった。当然、基礎から練習するわけだが問題は基礎的な練習すらおぼつかない。要は基礎的な練習をできるようにするための練習が必要になることがわかった。

つまり数学の問題を解こうとしても全然できないので、簡単な因数分解をさせてみたら、実は算数からやり直さないといけないことがわかったような心境だ。

今のチームではキャッチボールは行っておらず、ネットに向かって投げる班とラケットで打たれたテニスボールを捕る班に別れて「投げる練習」「捕る練習」を分けて取り組んでいる。「こんなこともできないのか」と嘆いても仕方がない。確実にステップアップできる筋道を示して取り組ませることしかない。

中高一貫校ということもあり、同校中等部の3年生が練習に参加してくれている。右も左もわからない中学3年生が高校野球部に何を感じるか。高校生が何を教えるか。それこそがチーム力であると気づいた。

中3が「高校野球はカッコいい」と思えばカッコいい野球部だろうし、「高校野球部はちょろい」と思えばちょろい野球部なのだ。そこに弁解の余地はない。

また、高校生が中3に何を教えるのか。それこそが今の野球部のレベルを物語る。いくら指導者が野球を理解していて生徒に教えていたとしても、生徒が他の人に説明できなければ日々の指導は伝わってないということだ。そこでサボり方や監督の文句が出るようなら指導者はスタンスを考えたほうがいい。どんどんクラブが衰退していく負のスパイラルに陥るだろう。

幸いにも中3の反応も高校生の指導も悪くはない。監督として一安心である。

成功したこと・失敗したこと

新チームになってうまくいったこともあれば失敗したこともある。それが下記。

【成功】掲示板の活用

【失敗】トレーニング器具

【成功】テニスボールとラケット購入

新チームになってBANDという掲示板アプリを活用している。練習や試合の動画をアップして解説したり、日本シリーズを解説しながらみんなで予測を書き込んだり、練習時間が少ないのでそれ以外の時間でも野球に関する知識や興味関心が高まるような取組をしている。育児をしながら。

トレーニング器具は失敗した。そのレベルではなかった。いまは腕立て伏せなど自重トレ中心に取り組んでいる。力がつけばそれも活用できることを思うと失敗ではあるがゴミにはならない。いまは部室を圧迫するだけの存在。

テニスボールとラケットを使えば、力がなくとも打撃技術を高めることができるし捕球練習もできる。メルカリで格安で購入。ソフトボールの授業でもラケットを扱うクラブの生徒は上手く打つ。当てる感覚がないのにフルスイングしてもそれはただの素振り。

眺めるのと賭けるのとは違う

結局、俺のスタイルとしては「このレベルまで上がってこい」ではなく、「できないなら一段下に降りてやろう」という公文式スタイルということ。「これもできひんか・・・」という言葉は2万回以上飲み込んできた。100回ぐらいは漏れた。

やるのは生徒。自分の凄さを見せつけるために生徒がいるのではない。そう考えると公文式スタイルに落ち着く。大事なのは我慢。

嫌になって投げだすことは簡単。「自主性に任せる」と言って眺めていればいいだけ。でもそれでは生徒は成長しない。技術も心も。

何か筋道を見つけて賭ける。策を打つ。それが監督の仕事。

「クラブ活動は教師の仕事ではない。」という内容の方がバズりやすい。それはわかっているが、これが今の俺の現状。ウソは書けない。嫌なことをやらされることの苦痛は理解できるので、そのような境遇にいる人は大変だなと思う。俺自身、嫌になって転校を二回していまの学校に落ち着いている。嫌なものは嫌なのだ。わかる。

どんな経験も失敗も成功も活かすも殺すも自分次第。いろんな策を打って現状を少しでも良くしていきたい。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

明日からも生徒のために汗をかきましょう!!

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