体育教師はどんな職業なのか

こんにちは。ホケンタイイク246です。

高校野球の監督がやりたくて体育大学を志したのが高校2年生。

浪人して大学に入り、私立高校の非常勤で教員生活が始まり早11年経つ。

今では専任6年目で野球部の監督もしていて目標としていたポジションにいるんだけど、改めて体育教師という仕事について俺目線で解説する。

目次

  • 体育教師の就職
  • 体育科は環境がすべて
  • 集団行動と詰将棋
  • 体育の授業づくり
  • 保健の授業づくり
  • メリットとデメリット
  • あらためて思うこと
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体育教師の就職

教師として就職する場合、道は大きく分けて2つある。それは公立の道か私立の道だ。

公立の学校に採用されたければ勉強や面接。いわゆる公務員のような試験が待っている。

私立の場合は少し違う。

私立の教員になるには運しかない

新卒で勤めた学校に採用が決まったのは野球チームで指導していた選手の親父がそこに勤務していて「コーチやったら、大丈夫やわ!!」という神の一言で決まった。

今の勤務校は体育教師が3年のうちに3人退職する状況で、しかもそのうちの一人が野球部の監督だった。

採用は減った分だけ埋め合わせるのが基本。 最高齢が50前後であれば採用があるのは10年後になる。

野球経験者の体育教師である俺に神風が吹いていた。

運が左右することは間違いない。なにが有利に働くかもわからない。

それが私立教員の採用。

体育科は環境がすべて

これは3校の学校で働いた経験でしかないんだけど、体育教師の働きやすさは体育科の環境に左右される。ほぼそれがすべて。

大変な生徒がいても周囲がいい人ばかりだったらやっていける。

逆に大学とか派閥にやたらこだわる体育科は給料が良くてもやってられない。神の一声で決まった学校も体育科の体育会系のノリが嫌すぎて3年で退職した。

いまの勤務校は天国。派閥はないし、やりたいことをやらしてくれる。

学生時代であれば下級生の1年を我慢すれば何とかなる。でも職場となると先輩がなかなか出ていかないわけだから、延々と上下関係が続くわけである。たまったもんじゃない。

私立はコネで決まることが多く、コネで決まってしまえば「採用してやった側」と「採用してもらった側」という立場が明確になってしまうため、ややこしいことになりがち。

集団行動と詰将棋

体育教師にとってまず取り組むべきは、授業内容よりも集団行動だ。なぜなら、グラウンドには生徒を縛り付ける椅子がない。何もしなければ生徒は暴れまわり何もできずにジ・エンド。授業が授業であるためには集団行動を仕込む必要がある。

この集団行動。色んな所で「時代遅れ」「軍隊式」などと呼ばれているが、修学旅行や体育祭、遠足などの行事で必須になるのでどこかで教えないといけないし、普段からやっておかないといけない。個性の時代とはいえ、公共の場で自分勝手な振る舞いは顰蹙を買うし迷惑だ。どんなクリエーターだって大事な部分は服で隠すし、インタビューで椅子が出されれば座る。椅子で倒立なんてしない。何はともあれ集団行動の必要性は現代でも至る所にあると思う。

4月の攻防戦

集団行動といえば「四列横隊」「回れ右」ができればいいし、ラジオ体操が何も見ずに音楽もかけずにできれば問題ない。ただし、ミスは許されない。なぜなら生徒はミスを突いて自分たちがやるべきことの最低限のレベルを下げようとしてくるからだ。しかも全員で。

まず、やるべきことを絞って完璧にできるようにする。こうして授業に臨むわけだが、前提として生徒はサッカーとドッチボールにしか興味がないので、いろんな抵抗をしてくる。それをすべて打ち返すことこそが教師の仕事であり、新任が苦労するところ。打ち返せずに体勢を崩したところに集中的にボールを投げられまくる。この時期はみんな辛い。

俺はどうしたか。初年度は理想の授業を捨てて徹底的にデータ集めと対策を行った。野村監督が日本シリーズの初戦を負けてもいいのでデータを集めて2戦目以降に勝ちに行くスタイルと同じ。学校は4月になればリセットされる。だからこそ今年は負けても来年は勝つという気持ちで乗り切った。

生徒の反応にはパターンがある。自分がやることをブラさなければ、生徒の反応も限定されてくる。詰将棋の三手詰みのように、教師の一手、生徒の反応の二手、その返しの三手で詰むことを目指す。そうすれば授業の流れは損なわず生徒をいなすことが可能だ。集団行動は詰将棋。一手目はこっちが握っている。有利であることを忘れてはいけない。

体育の授業づくり

授業のつくり方はある程度確立されてきた。

まずは「この競技はどんな競技なのか」を自分なりに考え抜くことだ。

ネット型のスポーツはラリー

バレーボールはラリーを楽しむ競技。バレーボールが真っ白から青と黄色の色が追加されたのは、サーブのレベルが上がり過ぎてラリーが続かないのでつまらないかららしい。つまりラリーしてなんぼ。たしかにバレーといえば円になってラリーするだけでも楽しい。若い時ビーチでナンパして男女で20回ラリーする遊び、むちゃくちゃ盛り上がったもんな。授業はラリーを続けることを目標に作る。

ゴール型はかわしてシュート

サッカーは相手をかわして、前に進める競技。メッシはドリブルで相手をかわしてシュートを決めるから凄い。バルセロナが凄いのはパスワークであいてをかわしてゴールに迫りシュートを決めるから凄い。下手くそは前に進めない。パスもできずに目の前にいる敵にビビッて適当に蹴るだけ。いかにかわすか。それを念頭にドリブルやパスして、シュートする練習を多くする。

壁を上達することで越えることばかりにならない

自分なりに競技を解釈して、必要最低限の技術を身につけさせたらゲームを行う。サッカーとはサッカーのゲームのことをいう。練習ばかりでゲームできないのは本末転倒。凝った練習に悦にひたる残念な教師がいるけど迷惑でしかない。クラブ活動でやってくれという話。

技術はおぼつかなくても人数やルールを調整して「ラリーができる」「かわしてシュート打つ」ことができるようにしてあげるほうが親切だ。

保健の授業づくり

保健の授業は落語だ。

保健の内容は昔から代り映えしない。いわば古典落語。しかも教科書は現代に比べて古臭い思想で作られている。教科書の内容を現代版にアップデートすることが保健の授業。

落語は枕があって本編に入ってオチをつけて終わる。授業も同じ。授業開始とともに最近あったことや興味のあることを喋りつつ本題に突入し、最後にまとめる。落語家は客が知っている話でも何十分も飽きさせずに聴かせることができる。教師は生徒を50分脱落させないことが求められる。

メリットとデメリット

体育教師は辛いこともあるがメリットもある。それが下記。

【メリット】

  • 好きなことが職業
  • スーツと革靴とは無縁
  • 教材研究は趣味活動
  • 入試当番は外
  • 試験や採点などの負荷が低い

【デメリット】

  • 生活指導確定

スポーツや体を動かすことが好きなので、仕事でそれができるのは端的に楽しい。しかも授業づくりも基本的に興味のあることばかりでやばい。いくらでもできる。

教材研究と称してサッカーのリフティングをしたりバドミントンの壁打ちをしたりできるのは体育教師だけだ。何をやっていても「教材研究なんで」で終わらすことができる。

俺はスーツと革靴が大嫌い。仕事中は無縁なのもうれしい。

唯一難点なのが生活指導部にほぼ100%所属することになる。これに骨が折れる。

毎回が失敗の許されない真剣勝負で管理職や保護者、社会的に通用する仕事をしないといけない。学校の先生は授業だけが仕事じゃない。他教科は受験指導や講習などがあるため、やはり体育科が請け負うのが学校というもの。

人の心の動きや反応を深く知ることができる。その結果、奥さんのこともよくわかるようになる。これはいいことばかりではない。

あらためて思うこと

俺が体育教師としてやってきたことは非常にシンプル。

【準備・実行・あとかたづけ】

これを繰り返しているだけ。

  • 自分なりにマックスの準備をする。【準備】
  • 必死に授業をする。【実行】
  • どうだったかを振り返る。【あとかたづけ】

そうすると「あれはこうすればよかった」「こんな手もあった」と思いつく。

それを踏まえて次の準備をするので、より良い準備が可能になる。

良い準備は、良い実行につながる。

準備して、実行して、後片付けするサイクルによって授業がマシになっていく。

どこかに良い授業が落ちているのではなく、自分を直視すべき。辛いけど。

周囲を見て、つまんねー授業と言われている人は準備が甘くて、反省しない。そして言い訳が長い。

その逆をすればマシな仕事はできると思っている。

ここまでいろいろと書いてきたが、とにかく採用され、落ち着いた授業ができるスキルを身につけた先に楽しい出来事が待っている(こともある)。いきなり生徒と意思疎通ができて軽妙な掛け合いなどができるわけではない。スポーツを楽しむには一定以上の技術が必要なように、授業スキルを身につけないとまとまりのない授業になる。

そこを乗り越えたら、体育教師はとても楽しくなる。なぜならポジティブに取り組む生徒が多いし、笑顔が多い時間だから。その時間を演出することは、体育教師ならではの快感である。

体育教師は運動が好きな人にとっては悪くない選択肢だと思う。給料も悪くないし。

教員の志望者が年々減少傾向というが勿体ない話だなと思う。興味があるならぜひ挑戦してほしいと思う。健闘を祈る。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

明日からも生徒のために汗をかきましょう!!

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