【闇金ウシジマくん】『フリーターくん』から学ぶ自尊心と不安について

こんにちは。ホケンタイイク246です。

あの『闇金ウシジマくん』の公式YouTubeチャンネルがあることを知り、ちょっと見てみたら止まらなくなってしまいました。

見たのは「フリーターくん」のシリーズ。ざっとあらすじを書いてみると

・フリーターくんは35歳で日銭をギャンブルで溶かす日々
・金がなくなればすぐに借金するサイクル
・鬱ブログとして日々の憂さを晴らすだけ。だれとも交流しない。
・母親は金融会社の勧めで信用取引に手を出して120万円の追証を出さなければ400万円失うことに
・400万の損失は避けたいとカウカウファイナンスに手を出す。
・ウシジマにはめられて親の遺産、夫の退職金、自宅まで失うことになりそう


という地獄。結末が気になる人は漫画を読みましょう。

さて、この話は借金を繰り返す母親と息子(フリーターくん)が無知で無計画で堕落した人間だと読む人もいるでしょう。でも僕はそう思わなかった。それは二人とも不安で孤独で苦しんでいるから。

「なんでこうなったんだろう」

そんな視点で、本編では描かれていない彼ら宇津井家の背景や内面について考えてみたいと思います。

引き金を引いたのは父親

なぜこんなことになったのか。これはすべてコミュニケーション不全が原因で間違いない。

父親は何の相談もせずに早期退職し、子どもには無関心。存在自体が見えてこない。

でも、この存在感のなさそのものが父親の存在感で家族の状態を雄弁に語っている。 

この父親の無計画な行動により、母親は『不安』に取りつかれる。この不安は将来への漠然としたものであり、「お金が足りない」という不安が精神を削っていく。

そこに目をつけたのが金融業者で信用取引を薦めて株を買わせる。母は無知で言われるがままお金を出すだけ。典型的な搾取の対象となる。しかも「不安」な気持ちに寄り添ってくれる人と思っている。あとはもう堕落していくだけ。 

つまり、この話は父親の早期退職がなければ母親の借金はなかったということ。夫婦で普段からコミュニケーションが取れていて、退職するかどうか、お金をどうするかなど話し合っていればこんな状況にはならなかった。母の方も自分が勝手に借金を作ってしまった手前、バレないように借金を重ねる悪循環。それぞれのスタンドプレイが最悪の展開を引き寄せてしまった。

フリーターくんは父親の生き写し(だと思う)

また、35歳でフリーターをしている息子も父親の属性を受け継いでいる。
それは人とまともにコミュニケーションが取れず、社会に適応できないという点だ。
ある日突然、何の相談もなしに仕事を辞めた父親と同様に息子も仕事が長続きしない。そりゃ家族を養い、家も購入した父親の方がマシかもしれないが、おそらく父親も息子同様に会社では孤立していたのではないだろうか。その寂しさが頂点に達して早期退職してしまった。そんなこと奥さんに言える訳もなく、勝手にやめるしかなかったのが退職の理由だと思う。
フリーターくんの簡単に諦めたりバックレたりする性根は父親譲りのように見えてくる。

フリーターくんは自尊と承認の獲得に失敗している「自分に自信のない人」そのものだ。
自分に自信がないので常に「だれかに認めてもらいたい」と思っている。それと同時に「みんな俺をバカにしているんじゃないか」と警戒心が高い状態だ。
だから自分のことばっかりで人の意見を聞き入れる余裕がない。「自分の意見に同意しない=否定された」という思考回路はいろんな考えを持った人間が集まる社会ではうまくやっていけないだろう。
それに女の子とまともにコミュニケーションがとれず、しかもそれを誤魔化すために上から目線の内面トークによって自分を保っている姿が痛々しい。
喋れば喋るほど自分に自信がなくなっていくので、もう今はだれとも連絡はとっていないようだ。

なぜフリーターくんはこうなったのか。生まれつきではない。それは家庭が崩壊しているからだ。

自尊と承認

人は生まれながらに自信を持ってはいない。
自尊心(自分は自分のままでいい)と承認(あなたはここに居ていい)は初めに親から与えられる。子どもは泣き、親が抱きかかえる。子どもは安心し、ここに居場所があると認識する。(それをぶち壊すのが虐待だ)

そのように獲得した自尊心と承認は家をベースに徐々に広げていく。幼稚園、小中高大、職場という順序で自分の陣地を広げていく。何かあったら帰る場所、愚痴を聞いてくれる場所、慰めてくれる場所が家だけではなくなっていく。親から自立するとは何かあったときに家以外に頼る場所があること。そして、家庭を作るとは新たな戻ってくる場所をパートナーと作ることである。

その意味で宇津井家は崩壊している。
購入した家はあるけれど、精神的にだれもつながっていない。みんな孤独で不安で苦しんでいる。
フリーターくんは学生時代のどこかで人間関係を構築することに失敗したのだろう。

必要なのは金じゃない

家族は面倒で必要な時に割高でも女を買う方が賢いと言いながら、実際に会うとタジタジで何もできない。
誰からも承認されない人間は誰かを下に見て精神的安定をようとするけれど、そんなメッキはすぐにはがれる。
そんな自分に嫌気がさすのだけれどどうしていいかわからない。
そうしてパチスロに行き、金を借り、自虐ブログを書き、閉まらない冷蔵庫に八つ当たりし、自分を知らない女性に会いに行く。
そして借金と不安が増えていく。
彼に必要なのは金ではなく、自尊と承認であり安心して帰ることのできる場所なのである。 

親として教師として考える

物語の結末はさておき、コミュニケーション不全というものが人を孤立させ、不安というものが人の正常な判断を奪うという事実を頭に入れておかなきゃと思わせてくれる傑作。 

この作品を読んだうえで親として教師として何を考えないといけないのか。

気の利いたことが言えなくても「あなたは、ここに居てもいい」「私はあなたを歓迎している」というメッセージを伝えること。
それは言葉でなくてもいいはずです。

呼びかけに対して、鬱陶しそうにしない。それだけで十分です。

それと逆の行為が「俺の時間を奪うな」「俺の機嫌を伺え」というメッセージを言葉や態度で示すことでしょう。

教師としては仕事ということもあり、大丈夫なのですが、家庭となるとゆっくりしたい気持ちもありできてない時もありますね。まだまだ修行が足りません。


そんなことを考えさせてくれる『闇金ウシジマくん』お勧めです。

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