こんにちは。ホケンタイイク246です。
2月が終わり、学期末が目前と迫った3月を迎えました。
本年度の授業も明日をもって終了ということで、3学期の振り返りをしていきたいと思います。
高校3年生と中学3年生の剣道を担当していましたが、どちらも2学期で終了。3学期の授業は中3のハンドボールだけになります。
(かといって別に楽にはなってない。。高3の担任は自分にとっては力以上の課題が多くかなり疲弊しました。)
この3学期ハンドボールの目標は「ゲームをするために必要な準備を完了」させておくこと。
カリキュラムの流れとして中学3年3学期で基礎をやり、高校1年1学期でリーグ戦をするというのが、この学校の慣習になっているからです。
もともと授業が少ない3学期なのに感染症対策によるオンライン授業期間もあったりして、さらに授業数が削減されてしまいましたが何とか試験を終えることができました。
下記の計画は冬休み時点での計画なので実際の授業のペースとは異なりますが、おおきな流れは同じです。
それでは振り返っていきたいと思います。
計画

体育は「運動は楽しい」と思ってもらうことが最大の目標です。
ハンドボールに関しても生徒にとっては馴染みが薄いからこそ「ハンドボールってこんなに面白いんだ」と感じてもらうことが授業づくりの根っこになってきます。
ジャンプシュートにこだわる
経験の有無を問えばほとんど手が上がらないハンドボール。
この馴染みのないスポーツを楽しむにはどうすればいいのか。それを考えるのが教師の役割です。
個人的にいつも考えていることは「そのスポーツを象徴するプレーをできるようにする」ということをメインにするということです。
ハンドボールといえば何か。やはりジャンプシュートでしょう。
このジャンプシュートの習得と「ゲームの中でいかにジャンプシュートで得点するか」を念頭に練習メニューを考えました。
- ジャンプシュートにつなげやすいパスの受け方やパスの出す場所はどこか
- ジャンプシュートにつなげるためにパスを受ける場所はどこか
- ジャンプシュートを打とうとすると敵はどのような動きをしてくるのか(どこにスキができるのか)
そんなことを授業中に生徒に問いかけながら授業を進めていきました。
3学期は寒い
それと3学期の体育は手が冷たく固くなります。
そんなときにハンドボールをすると突き指の危険は拭えません。
だからこそキャッチボールの時間を大切にし、ウォームアップとキャッチの技術向上を目指しました。
ミニゲーム
表を見てもらえばわかりますが2対2や4対4のミニゲームが中心です。
後述しますが、入れ替わりの多い短時間のゲームを繰り返し行います。
理由は「多くの人間がシュートを打つ機会が増えるから」です。
シュートの技術はシュートを打たなければ向上しません。
2対2は一人かわせばシュートが打てるので練習初期でもシュートにもっていくことが比較的容易です。
また、2人のうちどちらかがシュートを打つことになります。
運動が苦手でシュートを打つことに億劫になっている生徒は5~6人のチームになるとシュートが打てる場面でもパスを出します。
シュートを打って外したときに何か言われるのが嫌という自意識が働いてしまうからです。
(そもそもそのような人間関係が問題なのですが)
そのような生徒でもシュートを打つ心のハードルを下げるためにも少人数のミニゲームは有効です。
キャッチボール

キャッチボールは毎回行います。
理由は3つ
- ウォームアップ(突き指や肩肘のケガ防止)
- 基本技術の習得(パスの技術がなければゲームにならない)
- 言い訳(もし、何かあったときに「ちゃんと配慮していたか」と問われても大丈夫なように)
ある程度慣れてくるとキャッチボールの時間が惜しくなってくるのですが、
寒い時期の球技であること、指のケガは勉強に大きな支障をきたすこと、生徒は思っているより上手ではない(指先をやわらかく使えない)という実感があり、この時間は必ず取るようにしています。
ミニゲームをするようになるとパスの重要性がわかるようになるので、(声掛け次第ではあるが)キャッチボールを積極的に取り組むようになっていく姿がありました。
「ボールが捕れなければシュートは打てない」
これはパワーワードで、キャッチボールの捕る意識が格段に上がります。
シュート

シュート練習はゴールに向かって行いません。
壁やネットに向かって行いました。
理由は単純で「待ち時間が少なく、シュートを打つ回数が増えるから」に他なりません。
ゴールは4つしかないのでゴールを使ってシュート練習となると1ゴール10人が使うことになります。
そうなれば単純に9人が並ぶことになり、順番が回ってくるまでかなり時間がかかります。
それに加え、シュートに投げ込まれたボールは簡単に取れません。ネットに引っかかることもあり意外と時間がかかる。
モタモタとボールを拾う様子をイライラしながら待つ次の生徒。すぐに全体が間延びして遊び始めてしまいます。
待ち時間が長いことに良いことは少ない。
4人1組のパス練習の陣形のまま、壁やネットに向かってシュートを投げさせました。
すぐに順番回ってくるし、ボールは跳ね返ってくる。インターバルがとても少なくなります。
この段階のジャンプシュートはラインやゴールを気にせずに正しいステップで投げられればいいので練習の質が落ちることもありません。
生徒はワーワー言いながら思いっきり投げることを楽しんでいたと思います。
テンポの良さは活気につながります。
ステップ優先
シュートの習得のポイントはステップを理解し、体に馴染ませることに尽きます。
ステップシュートのときは2歩目で体を横に向け、3歩目でひねりを使って投げる
ジャンプシュートでは3歩目で片足踏切でジャンプして空中で投げる
まずステップがあって、そのあとに上半身の動きがあります。
- ステップがわからない
- ステップがおぼつかない
このような状態では力強いシュートが打てるわけがありません。
「シュートが弱くなってもいいから、正しいステップを意識して練習しよう」
「はじめはうまくいかなくて当たりまえ」
そんな言葉を何回もくりかえしました。
最後の授業では正しいステップでシュートを投げられることができていたので、その方針は間違っていなかったように思います。
(筋力が足りていなくて、すっぽ抜ける生徒が多数いましたが。。)
パスをもらってシュート
動きの中でシュートを打てなければ試合では通用しません。
走りながらボールを受けてジャンプシュートに持ち込みます。
ある程度慣れてきたら「キャッチしたら両足着地」「つぎは左足着地」など条件を加えました。
どんな着地になっても動きをつなげてジャンプシュートに持ち込むことができれば、
試合でシュートを打つ可能性がぐっと高まります。
そして、スポーツに大事なリズム感を身につける意味でも効果はあったかなと思います。
ミニゲーム 2対2

このミニゲームが3学期の肝になります。
このミニゲームの中で判断力や動き方、立ち位置などを理解し身につけることで本格的なゲームにつなげていきます。
教師はコートを動き回り「ナイスプレー」「いまの打てるぞ」「ライン入ったらアカン!!」とか声をかけてゲームを通して生徒に基本的な動きとルールを教えていきます。
ミニゲーム 4対4

このミニゲームは生徒が熱狂して取り組んでくれました。
時間を設けて通常のゲームにすると色んな場面でダレてしまうのですが、
この形式にすると短い時間で切れるのでダレません。
短いインターバルで次々と自分たちの出番になるので集中力も途切れないし、
「つぎはこうやって攻めよう」と話し合って、すぐに試すことも可能です。
どんなスポーツでも同じですが安易に勝ち負けを求めると結果に左右されるため、
身につけてほしい動きをやろうという雰囲気が出てきません。
結果を求めず「いいプレーをする」ことを念頭に置いてプレーすることを生徒には何度も伝えました。
そうすると、はじめはサッカーのように縦につなぐプレーが多かったのが、
最後の方は横に広がり、ボールと人が横に動き、できた隙を縦に切り込んでシュートする場面が何度も見られました。
体育の授業といえどもやり方次第で生徒の動きは大きく変化するものだと実感しました。
まとめ
ハンドボールの楽しさを実感するにはジャンプシュート
そのジャンプシュートを習得し、ゲームの中で使って得点する
そのことを念頭に授業を行いましたが、それは間違っていませんでした。
生徒は自分なりに考えながらステップを覚えようと試行錯誤し、
普段はドッチボールで投げようとしない生徒のゴールを見ることもできました。
あくまで授業。
勝ち負けは二の次です。そんなものは度外視してもいいでしょう。
みんながハンドボールの楽しさを少しでも実感してもらえたのではないかと思います。
来年度はもっといい授業ができるように試行錯誤していきたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
明日からも生徒のために汗をかきましょう。